写真撮影

花火写真の撮り方講座〜第8章 主な失敗例と対策方法〜

おーわ
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花火系散歩屋のおーわ(@mof_mof08)です。

花火の写真を撮影するにあたって必要になる知識やテクニックについて、全9章の講座形式で紹介していく本シリーズ。

第8章では花火写真の撮影における主な失敗例と対策方法について紹介していきます。

ひと口に失敗といってもメジャーなものからマイナーなものまで様々ありますが、「なかなか思い通りに撮影できない」「もっと上達したい」とお考えの方の参考になれば幸いです。

花火写真の主な失敗例と対処方法

花火写真の撮影における主な失敗例としては以下のものがあります。

  • 芯抜け
  • トラ切れ
  • 重ねすぎ
  • 煙まみれ
  • ピンボケ
  • ブレ
  • フレームアウト
  • 水平が取れていない
  • 歪み
  • 結露によるぼやけ
  • 露出オーバー(白飛び)

上記で挙げた失敗はいずれも花火本来の魅力が伝わりにくくなってしまう可能性があるもので、できる限り避けたいのが正直なところです。

花火撮影・鑑賞スキルの向上や事前の準備によってカバーできるもの、撮影するロケーションや天候によっては回避が困難なものがありますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

芯抜け

芯抜けが起きている花火写真の例(写真中央付近に注目)

花火写真の撮影中に起こる失敗の一つで、シャッターを切るタイミングが不適切な場合に起こります。

芯抜けの対策は以下の2点となります。

  • 適切なタイミングでシャッターを切る
  • 煙火店さんの特徴を把握する(特にスターマイン)

芯抜けはいわば物語の核心部分を失ったようなものですので、しっかりと収めていきたいところです。

トラ切れ

トラ切れが起きている花火写真の例

スターマインにおいて起こりやすい失敗で、シャッターを切るタイミングが不適切な場合に起こります。

対策としては以下の2点。

  • 適切なタイミングでシャッターを切る
  • 担当する煙火店さんの特徴を掴む

個人的な所感になってしまいますが、場数を踏みながら花火鑑賞スキルを磨いていくのが失敗を減らす近道です。

重ねすぎ

重ねすぎてしまった花火写真の例(単打ち花火と対打ち花火の2つのシーンで構成されている場面)

先述の芯抜けやトラ切れと同じく撮影中における失敗の一つで、シャッターを切るタイミングが不適切な場合に起こります。

有効な対策としては以下の2点。

  • シャッターを適切なタイミングで切る
  • 花火の意図をしっかりと把握する

トラ切れと同じく、場数を踏みながら花火鑑賞スキルを磨いていくのが失敗を減らす近道です。

煙まみれ

煙まみれになってしまった花火写真の例

こちらも各所で見かける失敗の一つで、原因としては以下の二つが挙げられます。

  • 風下で撮影している
  • 風量が極端に少ない

撮影場所に風上を選ぶのが唯一の対策ですが、観覧・撮影に適したスポットが限られている、風量が極端に少ないなど避けようのないケースも往々にしてあります。

ピンボケ

ピンボケした花火写真の例(全体)

ピンボケした花火写真の例(拡大)

一眼カメラでの撮影経験があまり多くない方がやってしまいがちな失敗の一つで、ピント合わせがうまくいってないのが原因です。

対策は以下の通り。

  • 事前にピント合わせを行う
  • 可能であればマニュアルフォーカス(MF)を使用する

ピンボケすると花火の光跡がぼやけてしまいますので、明るい時間帯にしっかりとピント合わせを行うことをおすすめいたします。(オートフォーカスで合わせた場合は調整後にマニュアルフォーカスへの切り替えを忘れずに!)

ブレ

三脚の振動が原因でブレが生じた花火写真の例

比較的見かける失敗の一つで、原因としては大きく二つ挙げられます。

  • 振動を拾いやすい場所(板敷の席など)に三脚を設置している
  • 強い風が吹いている

振動起因のブレについては撮影場所を見直すことで対処可能ですが、風による被写体ブレについては避けようがないので素直に諦めましょう。

フレームアウト

花火が盛大にフレームアウトした写真の例

わりとよくある失敗の一つで、原因としては以下の2点が挙げられます。

  • 打ち上げ場所の見誤り
  • 焦点距離が適していない

対策としては以下の通り。

  • 打ち上げられる花火の情報(大きさ、幅、場所)を事前に確認する
  • カメラのアングルや向きを修正する
  • 画角を広めに取る(焦点距離を短めにする)

基本的には準備の段階である程度回避できますが、メイン会場の構造や手持ちの機材によってはフレームアウトを避けられない場合もあります。

フレームアウトは何が何でも失敗というわけではなく、花火の上端部や両端をあえて切ることでスケール感を意図的に強調できます。

水平が取れていない

水平が取れていない花火写真の例

一眼カメラでの撮影経験があまり多くない方がやってしまいがちな失敗の一つで、セッティングにおいて水平が取れていないのが原因となります。

特別な理由がない限り、セッティングの段階でしっかりと水平出しをしておきましょう。(水準器を併用して行うのがおすすめです)

多少の傾きであればレタッチで修正できる場合があります。

歪み

被写体の花火に歪みが生じた写真の例

撮影環境や使用する機材によって起こる失敗で、大きく二つの原因が挙げられます。

  • 遠近感(パース)による歪み
  • 強風による花火の歪み

一般的に広角レンズを使用した状態でアングルを効かせると、遠近感(パース)がより強くかかる傾向にあります。

花火は高さのある被写体がゆえ、打ち上げ場所に近いところから広角レンズを用いて全景を撮影した場合、必然的にハイアングルを取ることになります。

その際に強烈なパースが生じ、花火の像に歪みが生じやすくなってしまいます。

対策としては以下の通り。

  • 花火打ち上げ場所からある程度の距離を取る
  • 魚眼レンズを使用する
  • レタッチで修正する

メイン会場の前方で観覧を楽しみつつ撮影も行う際は、花火に歪みが生じることをあらかじめ認識しておきましょう。

なお、後者の強風による歪みについては避ける手段がありませんので、「なんて日だ!」と心の中で吐き捨てつつ素直に諦めましょうw

結露による不自然なぼやけ

結露によってぼやけた花火写真の例

意外と盲点なのが結露による不自然なぼやけです。

花火大会が開催される夜間帯は一般的に日中と比べて湿度が高まる傾向にあります。

特に湿度が高い(おおむね70%以上)かつ気温が低い日はレンズやフィルターが結露しやすく、その状態で撮影するとぼやけた花火写真となってしまいます。

結露についてはレンズヒーターの使用でおおむね対策可能です。

露出オーバー(白飛び)

白飛びした花火写真の例

花火写真の失敗として非常に多いかつ厄介なのがこちらです。

花火は非常に明るい被写体ですが、長時間露光で捉える関係上どうしても露出オーバーしやすい傾向にあります。

特に中間色(パステルカラー)や銀冠などの光量の大きい花火や物量の多い小型煙火については、対策なしで挑むとほぼ確実に白飛びします。

対策としては以下の通りです。

  • 絞りを絞る
  • NDフィルターを併用する
  • 1シーンを分割して撮影した上で合成処理を施す
  • ベースISO感度の低いカメラを使う

ひとたび露出オーバーを起こすとレタッチでも修正が効かなくなってしまいますので、撮影の段階で防いでおきましょう。

>> 花火写真の撮影で厄介な露出オーバー(白飛び)を防止する方法

まとめ

本記事では花火写真における失敗例と対策について解説いたしました。

改めてざっくりまとめると以下の通りとなります。

主に撮影・鑑賞スキルが原因
  • 芯抜け
  • トラ切れ
  • 重ねすぎ
主に事前の準備不足が原因
  • 煙まみれ
  • ピンボケ
  • ブレ
  • フレームアウト
  • 水平が取れていない
  • 結露によるぼやけ
  • 露出オーバー(白飛び)
機材と撮影場所による原因
  • 歪み

ひと口に失敗といってもその種類は様々ですが、上記で挙げた項目を参考に今後の写真撮影に役立てていただければ幸いです。

花火写真の撮影にまつわる解説はここまでとなりますが、写真の完成度をより高めるためのレタッチ術について最終章で紹介していきます。

>> 花火写真の撮り方講座〜第9章 完成度を高めるレタッチ術〜

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花火系散歩屋
花火系散歩屋。関東地方を中心に年間20〜50回の花火を観覧・撮影しながら、各種メディア(SNS、ブログ)を通じて花火の様子をお届けしています。
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