花火写真の撮り方講座

花火写真の撮り方講座〜第6章 機材のセッティング手順〜

花火系散歩屋のおーわ(@mof_mof08)です。

花火の写真を撮影するにあたって必要になる知識やテクニックについて、全9章の講座形式で紹介していく本シリーズ。

第6章では機材のセッティングについて、具体的な進め方や注意点について解説していきます。

セッティングもまた花火写真の完成度に関わってきますので、本記事でぜひ要領をつかんでいただければ幸いです。

機材のセッティング手順

花火写真の撮影を行うにあたっての機材セッティングはおおむね以下の流れとなります。

  1. 花火の詳細な打ち上げ場所を確認する
  2. 三脚・カメラを設置する
  3. 焦点距離を調整する
  4. ピントを合わせる
  5. カメラの向き・角度を調整する
  6. レリーズを接続する
  7. NDフィルターを装着する(オプション)

ぱっと見やること多いですが、なるべく分かりやすく解説していきたいと思います。

特に慣れないうちは明るいうちに現地入りし、時間と心にゆとりを持った状態でセッティングすることを強くおすすめいたします。

花火の詳細な打ち上げ場所を確認する

セッティングを行うにあたり、まずは詳細な打ち上げ場所を確認しておきましょう。

花火大会の公式サイトや配布されるパンフレットにはおおよその打ち上げ場所が記載されています。

花火大会会場図の例(引用:長岡花火公式サイト)

しかしながら、上記の情報はかなりざっくりとしているため、それだけを頼りにセッティングをすると花火が画角からはみ出てしまう(フレームアウト)など、意図する構図にならない可能性があります。

序盤の撮影は捨てて細かい調整は後からすれば良いみたいな話もありますが、花火大会によってはいきなりからラスボス級の花火が打ち上がるパターンもあるので、可能な限り正確な打ち上げ場所を事前に把握しておきましょう。

花火の正確な打ち上げ場所(筒の位置)を肉眼で確認するのは困難なため、双眼鏡などがあると便利です。

>> 花火写真の撮り方講座〜第2章 撮影に必要な機材を揃えよう〜

三脚・カメラを設置する

続いて、撮影を予定している場所に三脚とカメラを設置していきます。

設置にあたって確認すべきポイントとして、以下の3点が挙げられます。

  • 人流や交通の妨げになっていないか
  • 三脚を置く場所の足場が安定しているか
  • 三脚の高さが適切か

まずは三脚を立てようとしている場所が人流や交通の妨げになっていないかを確認しましょう。

花火写真に限った話ではありませんが、三脚を立てる場所によっては重大事故やトラブルを招く可能性が十分にあります。(場合によっては法に触れる可能性もあります)

特に以下に該当する場所は避けるようにしましょう。

  • 歩行スペースの確保が困難な場所
  • 他の交通を妨げるような場所
  • 私有地(許可を得ている場合を除く)

一部の花火大会では三脚を設置できる場所にあらかじめ制限が設けられている場合があります。

続いて、三脚を設置する場所の足場が安定しているかどうかについて確認しましょう。

足場が不安定な場所に三脚を設置してしまうと写真のブレ、転倒による機材の破損、さらには他の観客などへ危害を与えるリスクが高まります。

特に、以下のような場所はできる限り避けるのがオススメです。

  • 板敷の席
  • ビニールシートの上
  • 橋上
  • ぬかるんだ地面
  • 極端な傾斜がある土手
  • 砂浜

そして、三脚・カメラの高さには十分に注意しましょう。

花火大会は写真を撮影される方以外にも多くの方々が訪れますが、特にメイン会場など大勢の観覧客が集中するような場所で撮影する場合、後ろの方の視界を妨げてしまうことも十分にあり得ます。

三脚・カメラの高さに関する明確な基準はありませんが、座位で撮影する場合は目線の高さを目安に調整するのがベターです。

花火大会によっては観覧席内における三脚の高さ上限が定められている場合があります。

花火写真の撮り方講座〜第1章 撮影における基本を知ろう〜でも触れていますが、花火大会は多くの方々の理解によって成り立っているイベントです。

場所を問わず、花火写真を撮影する者がその安全や配慮を脅かすことがないよう、最大限の配慮を図った上でセッティングを行いましょう。

焦点距離を調整する

三脚とカメラの設置が済んだら、焦点距離を調整していきましょう。

手順はざっくり以下の通り。

  1. 撮影場所から打ち上げ場所までの距離を計測する
  2. 花火の規模(最大号数および打ち上げ幅)を把握する
  3. レンズの焦点距離を調整する

花火写真の撮り方講座〜第3章 撮影場所の選定と下調べをしよう〜でも触れていますが、花火写真の撮影に適した焦点距離を求めるには以下の情報が必要となります。

  • 撮影者〜打ち上げ場所(筒場)の距離
  • 最大号数
  • 打ち上げ幅
  • お使いのカメラのイメージセンサーサイズ

おおよその目安としては以下の通りとなります。

  • メイン会場内:広角〜標準
  • メイン会場外:標準〜望遠

より具体的に算出したい方は以下の記事にて解説していますので、参考にしていただければと思います。

>> 花火写真の撮影で超絶悩ましい焦点距離の計算方法

設定する焦点距離が決まったら、レンズ側で調整を行います。

ズームレンズをお使いの方は、ズームリングを回転させて焦点距離を調整します。(単焦点レンズをお使いの方はこの操作はありません)

構図からのフレームアウトを避けるためにも、しっかりと調整することをオススメいたします。

最適な焦点距離については事前に下調べをしておくとスムーズに割り出すことができます。

>> 花火写真の撮り方講座〜第3章 撮影場所の選定と下調べをしよう〜

ピントを合わせる

焦点距離が決まったら、ピントを合わせていきます。

やり方はいくつかありますが、僕が実際に行なっている方法は以下の通りです。

  1. マニュアルフォーカス(MF)に切り替える
  2. ライブビュー(LV)表示に切り替える
  3. 遠くのものが認識できる程度まで画面を拡大する
  4. フォーカスリングを回してピントを合わせる

まずはマニュアルフォーカス(MF)に切り替えます。

MFへの切り替え方法は大きく3つあります。

  • カメラボディのハードスイッチ
  • カメラボディのソフトスイッチ(画面操作)
  • レンズのハードスイッチ

お使いのカメラ、レンズによって異なりますので、詳しくは取扱説明書などで確認してください。

続いてライブビュー(LV)表示に切り替えます。

ライブビュー表示への切り替え操作(Nikon Z 7IIの場合)
ライブビュー表示の例(Nikon Z 7IIの場合)

ライブビューに切り替えたら、遠くのオブジェクトがある程度認識できるところ(目安としては等倍程度)まで画面を拡大します。

ライブビュー拡大操作の例(Nikon Z 7IIの場合)
ライブビューを等倍程度まで拡大した例(Nikon Z 7IIの場合)

ライブビューへの切り替えおよび画面の拡大方法については、お使いのカメラの取扱説明書などをご確認ください。

フォーカスリングを回し、オブジェクトの細部がくっきり見えるように調整します。

ピントが合っていない状態の例
ピントが合っている状態の例

撮影者から花火打ち上げ場所までは距離があるため、特別なことがない限りフォーカスは無限遠(∞)に収束します。

ただし、花火写真でよく用いられるズームレンズは無限遠の表記から微妙にズレたところで合従するため、上記の方法でピント合わせをするのが確実です。

花火の光跡が綺麗に収められるかどうかに関わってきますので、ピント合わせはしっかりと行っていきましょう。

MFでの調整がどうにも難しいと感じる方は、明るい時間にオートフォーカス(AF)を使って合わせるのも手です。

AFで調整した場合は撮影前にMFへの切り替えを忘れないようにしましょう。(結構忘れやすいのでご注意を!!)

カメラの向き・角度を調整する

三脚とカメラの設置を整えたら、カメラの向きと角度を調整していきます。

具体的な調整項目は次の3点になります。

  • 打ち上げ場所を軸に向きを合わせる
  • 水平を取る
  • アングルを調整する

本項では花火写真の撮影で用いられやすい3way雲台を使用していると仮定して話を進めていきます。

自由雲台(ボール雲台)でもやることは基本的に変わりませんが、上記3つの操作をほぼ同時並行で行うことになります。

カメラの向きは以下の手順で調整していきます。

  1. パンストッパーを緩める
  2. 打ち上げ場所に合わせて左右に回転させる
  3. パンストッパーを締める

カメラの水平は以下の手順で取っていきます。

  1. チルトハンドルを緩める
  2. チルトハンドルを動かして水平を調整する
  3. チルトハンドルを締める

なお、水平を取るにあたっては水準器があると便利です。

電子水準器を用いて水平出しを行う例(Nikon Z 7IIの場合)

参考までに僕はカメラに備わった電子水準器を使用して水平出しを行っていますが、未対応のカメラをお使いの方は物理的な水準器を用いると良いでしょう。

アングルは以下の手順で調整していきます。

  1. パンハンドルを緩める
  2. パンハンドルを動かしてアングルを調整する
  3. パンハンドルを締める

3way雲台をお使いかつ花火の打ち上げ場所に近いとアングルが不足することがありますが、写真のようにパン棒を逆向きにセットするとアングルを稼げます。

カメラの向き・角度の調整が上手くできていないと違和感のある絵面になってしまう場合がありますので、しっかりと調整していきましょう。

レリーズを接続する

カメラのセッティングがひとしきり済んだら、レリーズを接続します。

花火写真の撮り方講座〜第2章 撮影に必要な機材を揃えよう〜で触れていますが、レリーズは花火写真のブレを防止するために欠かせない機材の一つです。

有線レリーズをお使いの方はカメラに直接装着(たいていはボディの側面に接続する場所があります)、ワイヤレスレリーズをお使いの場合は事前に必要な設定(ペアリングなど)を施します。

接続後、正常にシャッターが切れることを確認しておきましょう。

詳しい接続場所、方法につきましては取扱説明書などで確認してください。

NDフィルターを装着する(オプション)

必要に応じてNDフィルターを装着します。

一般的なねじ込み式NDフィルターをお使いの場合、ネジ締めの要領でレンズに直接取り付けることができます。

NDフィルターは花火写真の白飛び対策として有用ですので、個人的には是非とも用意することをオススメいたします。

花火写真の撮影におけるNDフィルターの役割や選び方については、以下の記事を参考にしてみてください。

>> 花火写真の撮影におけるNDフィルターの役割と選び方

まとめ

本記事では花火写真の撮影に当たって行う機材のセッティング方法について紹介してまいりました。

改めてざっくりまとめると以下の通りとなります。

  1. 花火の詳細な打ち上げ場所を確認する
  2. 三脚・カメラを設置する
  3. 焦点距離を調整する
  4. ピントを合わせる
  5. カメラの向き・角度を調整する
  6. レリーズを接続する
  7. NDフィルターを装着する(オプション)

花火写真の完成度にも関わってきますので、特に撮影経験が浅い方はなるべく明るいうちに現地入りしてゆっくりと行うことをオススメいたします。

第7章では花火写真を綺麗に撮るためのコツを紹介いたします。

>> 花火写真の撮り方講座〜第7章 綺麗に撮影するコツをつかもう〜

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おーわ
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