花火写真の撮り方講座〜美しい花火を綺麗に「撮る」ための虎の巻〜

本ページでは花火写真の撮り方について、全9章の講座形式でまとめています。

主にこれから花火写真を撮ってみたい、既に撮っているけれどもあまり上手くいかないとお悩みの方向けに、花火写真の撮影についてひと通り掴んでいただくことを目的としています。

すべて読んでいただくこともできますし、気になるところのみピックアップしてご覧いただくこともできますので、ご自身のスキルや悩みに合わせてご活用いただければ幸いです。

第1章 撮影における基本

花火写真の撮影と聞くと真っ先に機材や技術に着目しがちですが、その基本は伝えることにあります。(これは花火写真に限った話ではなく、他の分野の写真でも同様です)

写真を通じて花火について伝えるにあたっては、以下の5点が重要になってきます。

  • 花火写真を撮る目的を定める
  • 花火写真を届ける相手は一人に絞る
  • 花火について知る
  • ルールを守る
  • 花火を楽しむ

このあたりは日常の会話を思い浮かべていただくと分かりやすいですが、何かを伝えるにあたっては目的と相手の存在が必要不可欠です。

加えて、撮影者自身が花火についてある程度の知識を得ていれば、花火の魅力をより深く伝えることにもつながります。

花火写真を通じて誰に、何を伝えるか…まずはこのことを頭の片隅に置いていただいた上で、撮影に挑んでいただければと思います。

第1章 撮影における基本

第2章 撮影に必要な機材

花火写真の撮影にあたってはいくつかの機材が必要になりますが、最低限必要となるものとしては以下の4点となります。

  • カメラ(要バルブ機能&レリーズ対応)
  • レンズ(ズームレンズ推奨)
  • 三脚
  • レリーズ

都市夜景や星景などと同じく長時間露光と呼ばれる技術を用いての撮影となりますが、花火は打ち上がってから消えるまでの時間が不規則なため、シャッターの開け閉めの長さ(シャッタースピード)を撮影者自身で調整できるバルブ(Bulb)と呼ばれる特殊な設定を施して撮影を行います。

そのため、最低限の要件としてバルブ撮影に対応したカメラが必要となります。(現在発売されている一眼レフカメラもしくはミラーレス一眼カメラであればおおむね対応しています)

また、花火写真の撮影は数秒〜数十秒単位の長時間露光となるため、手ブレを防止するためのアイテムとして三脚レリーズも併せて必要になります。

上記の他に完成度の向上や機材トラブル防止の観点から、必要に応じてNDフィルターやレンズヒーターなども揃えておきましょう。

第2章 撮影に必要な機材

第3章 撮影場所の選定と下調べ

花火写真の撮影にあたってはどこで撮影するかを考える必要がありますが、場所の選定にあたっては以下の8点を考慮して進めていきましょう。

  • 写真を通じて伝えたいことを再確認する
  • 撮影場所で三脚が利用可能かどうかを確認する
  • 打ち上げ場所に対して極力正面となる場所を選ぶ
  • 花火を遮るものがない場所を選ぶ
  • 風向きに合わせて複数の候補を用意する
  • 撮影場所から打ち上げ場所までの距離を確認する
  • 花火の規模(打ち上げ幅および最大号数)を確認する

特に打ち上げ場所からの位置関係風向きは綺麗な花火写真を撮影するにあたって重要なポイントとなってきます。

可能であれば、撮影を予定している場所について事前にロケハンしておくことをおすすめいたします。(直前まで現地への訪問が難しい場合はGoogleマップなどの地図アプリを駆使するのも良いでしょう)

第3章 撮影場所の選定と下調べ

第4章 カメラの設定

花火写真の撮影におけるカメラの設定はざっくり以下の通りとなります。

撮影モード マニュアルモード(M)もしくはバルブモード(B)
シャッタースピード バルブ(Bulb)
ISO感度 ベースISO感度
絞り(F値) 花火により異なる(単打ち:F4.0〜8.0、スターマイン:F11〜16程度)
ホワイトバランス 花火により異なる(和火:5000K前後、洋火:3500K前後)
フォーカス マニュアルフォーカス(MF)
長秒時ノイズ低減 オフ
手ぶれ補正 オフ
記録形式 RAW(+JPEG)

普段、フルオートモードやセミオートモード(絞り優先など)で撮影している方からすると敷居が高そうなイメージがあるかもしれませんが、いったん覚えてしまえばどの花火大会でもおおむね適用できますので、この機会にぜひ押さえておきましょう。

第4章 カメラの設定

第5章 構図の考え方

花火写真において少々悩ましい構図についてですが、花火をメインの被写体として撮影する場合は以下を軸にすると良いでしょう。

  • 花火の打ち上げ幅>高さ:横構図
  • 花火の打ち上げ幅>高さ:縦構図
縦構図が適した例
横構図が適した例

花火大会によっては上記の両方のパターンが存在する場合がありますが、その際は片一方に絞るか、プログラムの合間に構図を切り替えるか適宜判断していきましょう。(花火写真の撮影に慣れている方は二台体制で縦構図と横構図を両方捉えるのも手です)

第5章 構図の考え方

第6章 機材のセッティング手順

花火大会当日における機材セッティング手順はおおむね以下の通りです。

  1. 花火の詳細な打ち上げ場所を確認する
  2. 三脚・カメラを設置する
  3. 焦点距離を調整する
  4. ピントを合わせる
  5. カメラの向き・角度を調整する
  6. レリーズを接続する
  7. NDフィルターを装着する(オプション)

あくまでも花火を撮らせていただくという気持ちを忘れずに、他の観覧客に最大限配慮した上でセッティングを行いましょう。

なお、機材のセッティングについては空が明るいうちに行うことをオススメいたします。

第6章 機材のセッティング手順

第7章 綺麗に撮影するコツ

花火写真を綺麗に撮るためのコツとしてはざっくり以下の通りとなります。

  1. 打ち上がる直前にシャッターを開ける
  2. 花火が打ち上がっている間はシャッターを開け続ける
  3. 花火が消えたらシャッターを閉じる

図にするとこんな感じ。

単打ち花火における撮影の流れ
スターマインにおける撮影の流れ

特にスターマインについては打ち上げる煙火店さんによって打ち上げ方が大きく変わってきますので、その特徴を掴めると撮影を優位に進められます。

第7章 綺麗に撮影するコツ

第8章 主な失敗例と対策方法

花火写真の撮影における主な失敗例には以下のようなものがあります。

  • 芯抜け
  • トラ切れ
  • 重ねすぎ
  • 煙まみれ
  • ピンボケ
  • ブレ
  • フレームアウト
  • 水平が取れていない
  • 歪み
  • 結露によるぼやけ
  • 露出オーバー(白飛び)
花火写真の失敗例(煙まみれ)
花火写真の失敗例(露出オーバー)

ひとくちに失敗といっても事前の準備や機材によって防げるもの、経験や知識によるもの、気象条件などによる不可避なものまで多種多様です。

なかなか花火写真が満足に撮れないなーとお悩みの方は、ご自身の撮影した写真と失敗例を照らし合わせながら、今後の対策に役立てていただければ幸いです。

第8章 主な失敗例と対策方法

第9章 完成度を高めるレタッチ術

必須ではありませんが、撮影した写真に対してレタッチを施すことによって、美しい花火の魅力をより引き出すことができます。

特に撮影段階での調整が難しい露光量やホワイトバランスなどを意図する形に持っていきたいのであれば、撮影後のレタッチがほぼ必須になってきます。

以下の記事でAdobe Photoshop Lightroom Classicを使用した花火写真の基本的なレタッチ方法について解説していますので、参考にしていただければと思います。

第9章 完成度を高めるレタッチ術