花火系散歩屋のおーわ(@mof_mof08)です。
花火写真の撮影にあたり、お使いのカメラで露出にまつわる設定(絞り、シャッタースピード、ISO感度)を手動で施す必要があります。
これらの設定は写真の明るさ(露光量)を決める重要なものですが、その関係についてよく分からないとお嘆きの方が、僕の他にも3名ぐらいいらっしゃるかと思います。
本記事では主にカメラ初心者さん向けに、露出に関する基本的な事項についてなるべく分かりやすく解説していきます。
カメラの露出とは

カメラにおける露出とは光に対してイメージセンサーやフィルムを晒した状態をいいます。
一眼レフカメラの場合、外光は次の流れで受け取ります。
- シャッターを開ける
- イメージセンサー(フィルム)を露出し外光を受け取る
- シャッターを閉じる
イメージセンサーやフィルムを外光に露出している間に受け取った光が焼き付けられ、最終的に写真として出力されます。
デジタルカメラの場合はイメージセンサーで光の情報をデジタル変換し、RAWデータとして出力します。(JPEGで出力する場合はさらに画像処理エンジンを通じて色情報を付加)
露出の度合い(露光量)で写真の明るさが決まる
露出の度合い(露光量)によって写真の明るさが決まってきます。
実際に露光量を変えて撮影すると、以下のような違いが得られます。
- 露光量-1.0
- 露光量±0
- 露光量+1.0
早い話が露光量が多いほど写真は明るくなり、反対に少ないほど暗くなっていきます。
露光量がカメラの許容範囲(ダイナミックレンジ)を上回ると露出オーバー(白飛び)、下回ると露出アンダー(黒つぶれ)として出力されます。
ダイナミックレンジはカメラによって異なり、一般的にはイメージセンサーが大きいほど、画素数が小さいほど許容範囲が広い傾向にあります。
露出の度合い(露光量)を決める絞り、シャッタースピード、ISO感度の関係
写真の明るさを決める露光量はざっくり以下の3つで決まります。
- 絞り(F値)
- シャッタースピード
- ISO感度
3つの関係を分かりやすく図にしたものがこちら。

絞り、シャッタースピード、ISO感度によって写真の明るさが変わる他、ボケやノイズといった副次効果をもたらします。
以下、露光量を決める3つの要素についてもう少し詳しく解説していきます。
絞り(F値)

カメラが単位時間あたりに受光する光の量と被写界深度(ピントの合う範囲)を調整する役割を担います。
絞りの大きさを変えた際に写真へもたらす変化はざっくり以下の通り。(シャッタースピードとISO感度が一定の場合)
絞り(F値) | 露光量 | 被写界深度 |
---|---|---|
開く(小さくする) | 増える | 浅い |
絞る(大きくする) | 減る | 深い |
人間の瞳孔に似た仕組みだと思っていただくと、なんとなくご理解いただけるんじゃないかなと思います。
F値のFはFocal length(被写界深度)の略称です。
シャッタースピード

カメラで受光する時間の長さを決める役割を担います。
シャッタースピードを変えた際に写真へもたらす変化はざっくり以下の通り。(シャッタースピードとISO感度が一定の場合)
シャッタースピード | 露光量 | ブレ |
---|---|---|
低速 | 増える | ブレやすい |
高速 | 減る | ブレにくい |
人間でいうところのまぶたの開閉に相当すると思っていただけると、分かりやすいかと思います。
先述でも触れましたが、カメラはイメージセンサーで受けた光をすべて記録する(焼き付ける)ため、動きのある被写体はブレ(光跡)として出力される場合があります。
ISO感度

一定量の光に対してどの程度の感受性を持たせるかを決める役割を担います。
ISO感度の大きさを変えた際に写真へもたらす変化はざっくり以下の通り。(シャッタースピードとISO感度が一定の場合)
ISO感度 | 露光量 | ノイズ |
---|---|---|
低い | 増える | 少ない |
高い | 減る | 多い |
感度が高いほど微細な光をキャッチできるけど、その副作用でノイズが増えて荒む…人間の感情に似たものだとイメージしていただくと分かりやすいでしょうか。
花火写真の撮影における露出の考え方
花火写真の撮影における露出はざっくり以下の通りとなります。
絞り(F値) | 絞る(おおむねF5.6〜16程度、花火の種類や打ち上げ方により異なる) |
---|---|
シャッタースピード | バルブ(Bulb) |
ISO感度 | 下げる(ベース感度) |
写真撮影をするにあたっては被写体について知る必要がありますが、花火の特徴をざっくりまとめると以下の通りとなります。
- 打ち上がってから消えるまでの動きがある(数秒〜数十秒とバラツキがある)
- 非常に明るい(打ち上げ方、種類によって異なる)
上記の特徴に対し、カメラの設定を当てはめていくと次の通りとなります。
条件 | 設定 |
---|---|
数秒〜数十秒にわたって不規則に現れる光跡を収める | シャッタースピードをバルブ(Bulb)に設定する |
非常に明るい被写体に対応する(輝度差あり) | 絞りを絞る(花火の種類などに応じて調整する) |
ISO感度を下げる(ベースISO感度) |
より詳しい設定については以下の記事で解説していますので、合わせてご覧いただければと思います。
まとめ
本記事ではカメラにおける露出について、ざっくり解説してまいりました。
露出は光に対してイメージセンサーやフィルムを晒した状態で、露出の度合い(露光量)によって写真の明るさが決定されます。
露光の度合いは被写体の特徴などによって最適な値が異なり、以下の3つの設定を上手く調整していきます。
- 絞り(F値)
- シャッタースピード
- ISO感度
はじめのうちは取っ付きにくいかもしれませんが、撮影を行う上で大事な要素となってきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
カメラについてもっと知りたい方は、以下の書籍をご覧いただくとより理解が深まると思いますので、参考にしていただければ幸いです。
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